1. トップ
  2. ニッポンおいしい納豆地図
  3. 岐阜県下呂市「なっとく豚」

毎日朝食は欠かしません。海外旅行をしていても、お粥に揚げパン、ソーセージと独逸パン、クロアッサンとカフェオレなど、それぞれの国での朝食を美味しくいただける私なのです。
食い意地が張っている…強く否定はしませんが、何処でも一晩たっぷり眠ると空腹で目が覚めてしまいます。健康な体ということになりましょうか。
ではありますが、日本に戻った時の朝食、それが焼き魚、納豆、みそ汁、漬物であれば、全身が日本人に戻っていきます。一つ一つの細胞が喜びの声を上げているようです。身体が求めていたものを補給されたからなのでしょう。

身体に良いからと人に言われて無理に食べるのではなく、身体が食べたいと囁いてくれたものを食べることで、身体が喜び、自身も幸せになっているように思うのです。

「ふくと汁」は、フグの味噌汁仕立で、江戸ではもっぱらこうして食べていたようです。「きのふ(昨日)フグを食べたが、無事に今日を迎えることができた」と俳聖松尾芭蕉も命は俳諧にだけでなく、食べ物にもかけていたのであります。

「食」は、身体と生命を養い紡いでいくためのものでありながら、命を失うかもしれない河豚が食べ続けられてきたのは、何故なのでしょうか。
身体を維持する為にたべるというより、美味いと感じ身体がその食材を求めているからに他ならないと思うのです。
身体が求めている声を聞き分ける力が健康を作るように思えます。

突然野菜のお浸しや天麩羅が食べたくなったりするのは、身体がその時足りないものを囁いてくれているように思えるのです。
魚にしても、刺し身、煮る、焼く、干す、など豊かな旬のものをいろいろ工夫して美味しくいただける日本。健康にならないわけがありません。
急に肉が食べたくなってきました。それも豚肉を。身体が求めているようです。

と、ここまで書いて気が付きました。今、「納豆」に関わるホームページに書いていることを。また、それなりのことをご報告しなければならないことを。
探しましたよ。ありました。納豆を食べて健康な豚のようです。
それも結構こだわりのある旨そうな豚肉のようです。

ということで、岐阜県下呂市萩原町に来てしまいました。
出迎えていただいたのは、「堀田農産」の堀田代表と中島場長と八百頭の豚たち。
代表と場長は伯父と甥の間柄で、今の仕事が面白くて仕方がないと言っていた場長は五年ほど前まで旅行代理店に勤めていた由。

  • 写真

半世紀以上前になりますが、私の祖父母の家の一キロほど先に養豚場が出来た後訪ねた折、小川の流れていた田園風景が一変していたことを記憶しています。
ところが、送迎をしていただいた中島場長に「着きました」と言われて降り立った時、少し戸惑いました。近くに豚舎があるように感じられなかったからです。
そう、匂いがとても薄かったのです。

  • 写真

堀田代表のお話を伺って色々なことが「納得」できました。そもそも豚を健康に育てる良い環境の豚舎にしようと、匂いを吸収させるため納豆を吊るしたのが始まりで、「匂いの元を断つ」として、混合飼料の納豆粉末を米などの飼料に合わせて食べさせるに至ったようです。「納豆喰豚」の誕生です。
その結果、私が感じたように匂いが薄くなっただけでなく、豚たちの胃腸の働きが良くなったせいか健康に育つようになったとのことでした。
必要なワクチン対応はしているものの、疾病予防のための投薬はせずに死亡率は大きく低下したそうで、「納豆」が胃腸を丈夫にし、健康向上に役立っていることは間違いなさそうです。

  • 写真

それ以外にも井戸を掘り、使う飲み水に工夫したり、豚舎に張ったネットを湿らせ、夏場には涼風が豚舎に流れるようにしたりと、実際に見学させていただいた豚舎の中で、生まれてから半年で120kgに育って出荷されるまで、豚たちは良い環境の中で育てられています。

  • 写真

取材を終え下呂市のブランド豚、「なっとく豚」(ナットクトンー「納豆喰豚」の食肉用名)を提供している店にご紹介を受け行って参りました。JR下呂駅から歩いて数分、温泉旅館も経営されている気風の良い女将さんがやっている店「宴蔵」です。
頂きました。「豚カツ」と「なっとく豚の朴葉味噌」。

  • 写真

  • 写真

完食しました。肉質が柔らかいだけでなく、私の好きな豚の脂身に雑味、雑臭がなく、いくらでも食べられそうでしたが、さすがに「なっとく豚のトマト丼」までの胃のスペースはなくなり次回としました。

納豆を飼料にした豚が、健康になったこと、肉がおいしくなったことを十分体験した旅でした。
納豆を食べることがどうやら健康に良いことと関係ありそうなことは「納得」できそうです。
でも、いつだれが納豆を我々にもたらせたのか。
自然発生した「発酵食品」とも言われていますが、「物事は、必然によって起こる」として好奇心を燃やしている私にとって「どのようにして生まれたのか」追求したいところであります。

納豆マップキャラクター 納とく翁



我が身体も同じように質の良い肉になっているのだうなと考え及んだ時、首筋に視線を感じました。誰かに上から覗かれているような。
ツルカメツルカメ!

納とく翁 記