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納豆文学史「納豆と文学、ときどきこぼれ話」

その3 南蛮人も「納豆」を食べたかも−『日葡辞書』

『日葡辞書』は、室町時代の終わりに日本にやってきた宣教師たちが伝道のために日本語を学習するのに使用した日本語とポルトガル語を対応させた辞書です。日本語にはもともと発音記号がないために、録音機のなかった当時の発音を具体的に知るにはたいへんに役立つ辞書として知られています。そこにはしっかりと「納豆」が項目として立てられています。

NattÔ ナットゥ(納豆)
大豆を少し煮てから室(むろ)の中に入れて作る食物の一種.
NattÔjiru (納豆汁) 
この大豆を材料として作った汁.
(土井忠生『日葡辞書』 1980 岩波書店)

ここからも、納豆が当時すでに広く食品として認められていたことがわかります。くわえて納豆汁についての説明が立てられていることからも、納豆汁としての食べ方が普及していたこともうかがえるわけです。

南蛮人も「納豆」を食べたかも−『日葡辞書』

日本にキリスト教を伝えたことで有名な宣教師フランシスコ・ザビエル(1506-1552)も、もしかするとどこかで納豆汁を振る舞われていたのかもしれませんね。

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