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納豆川柳

時代を食べる −時代の映し鏡・川柳−
納豆に関する川柳−2015年度優秀賞

納豆の食文化は古くから我が国の様々な土地で育まれてきました。日本人の食卓に最も親しみのある食材のひとつであり、納豆にまつわるユニークな発想もいろいろ考えられます。全国納豆協同組合連合会は、今年も皆様から「納豆の川柳」を募集しました。
幅広い年代の方々から、1,264作品のご応募をいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。
厳選なる審査の結果、次の3点が優秀賞に決まりました。
選出は全国納豆協同組合連合会と筑波大学大学院人文社会科学研究科 文芸・言語専攻 教授 石塚修先生によって行われました。以下、先生の選評となります。

優秀賞

納豆に あげたいノーベル 健康賞
70代 ひろ坊 様

ひきわりよ いや大粒と 初げんか
60代 女性 古子 様

毎日の 早寝早起き 朝納豆
10代 男性 春馬 様


石塚 修 筑波大教授 総評

川柳は俳句と同じく五七五の形式ですが、世態風俗を詠みつつウィットに富んだ内容を主とする文芸です。その点で、人情の機微や生活感を彷彿とさせる句がよい作品であるといえるでしょう。ただし、音数が整っていても標語のようであったり、独りよがりの句では困ります。また一方で、個性あふれるユニークな視点・切り口もほしいところです。  今回のコンテストでは、句だけ見ると納豆かどうかがわからない作品が多くありました。たとえば「かきまぜる」「糸を引く」とあるからといって、かならずしも「糸引き納豆」のことを詠んでいるかどうかはわかりません。その点が明確に出ているかどうかを観点として作品を選びました。 また、今回、もしも特別賞をさしあげるとすれば、

有難や 白寿を祝う 納豆餅
90代 男性

食べるほど いのちを伸ばす 糸納豆
90代 男性

の句のお二人でしょうか。とくに納豆餅はおそらくお正月の納豆餅のことでしょうから、なんと99回も納豆餅を召しあがったことになりますね。明けて、100回、まことにおめでとうございます。

石塚 修 筑波大教授 選評

納豆に あげたいノーベル 健康賞
70代 ひろ坊 様

今年も日本人からは2人もノーベル賞に選ばれました。もしもノーベル健康賞があったとしたら、納豆が選ばれるに違いないというわけです。時宜を得たよろしい句ではないでしょうか。

ひきわりよ いや大粒と 初げんか
60代 女性 古子 様

納豆という語は直接に出ていませんが、「ひきわり」と「大粒」とくれば納豆以外には考えられません。「初げんか」が季語にもなりますが、俳句と言うよりは雑俳・川柳としてよろしいでしょう。おせちはなかよくご夫婦で召し上がっても、常日頃召し上がっている納豆へのこだわりはお互いに一歩も引かないぞ、というあたりが夫婦の機微を感じさせますね。

毎日の 早寝早起き 朝納豆
10代 男性 春馬 様

早寝早起きといつも親御さんから言われているのでしょうか。それと、朝納豆も加えて元気に学校へと向かう子どもの姿が浮かびますね。お年寄りでも、そうした健康的な食習慣を元気に続けているお姿として読むことができます。

2013年川柳の応募結果はこちら