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「栄養」と「機能性物質」を含んだ健康食

 納豆の原料である大豆は、「畑の肉」といわれるように血液や筋肉、内臓などの組織づくりに欠かせない良質なタンパク質を豊富に含んでいます。
 納豆は、煮た大豆に納豆菌を植え付けて作ります。この納豆菌には、化学反応を促進する「酵素」が大量に含まれているため、大豆のタンパク質や脂質などの身体に有用な成分を効率よく分解するのです。そのため納豆はタンパク質の消化吸収率がよく、煮豆のままだと65%程度のものが、納豆に加工すると80%以上に吸収率が高まります。

 ちなみに納豆100グラムに含まれるタンパク質は、約10グラム。これは卵3個分、牛肉なら80グラム、豚カツ1枚(120グラム)に相当します。しかも納豆は高タンパク食品でありながら、コレステロールがゼロ。これが同じ高タンパク食品である肉や魚との大きな違いでもあります。

 納豆にはこのような良質なタンパク質のほかに、繊維質や、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどが多量に含まれています。
 また、人の身体を作るのに欠かせない栄養のほかに、納豆には薬のように働きかける機能性物質が、たくさん含有されていることが、研究によって次第に明らかになってきました。
 機能性物質の中には、DNAを傷つけ疾病の原因となる「過剰な活性化酸素」の働きを抑える物質か、血管障害や骨粗鬆症などの成人病を予防・治癒する物質、脳の老化を防いだり記憶力を向上させる物質、大腸の悪玉菌を抑制して食中毒の予防・治癒に効果を発揮する物質など、健康維持に欠かせない成分が多彩に含まれています。

 大豆という栄養豊富な材料と、納豆菌という有益な菌とが出会って生まれた「納豆」。小粒な身体の中に、私たちの健康を守る大きなパワーが秘められているのです。

納豆の栄養と効用
 納豆は、原料である大豆の栄養成分をそのまま残し、さらに納豆菌の働きによって、納豆独自の優れた成分を作り出しています。

納豆の栄養と効用

  納豆 牛肉 鶏肉   納豆 牛肉 鶏肉   納豆 牛肉 鶏肉
水分(g) 59.5 71.8 74.7 カルシウム(mg) 90 4 55 ビタミンB2(mg) 0.56 0.21 0.48
たんぱく質(g) 16.5 21.2 12.3 リン(mg) 190 181 200 ナイアシン(mg) 1.1 4.9 0.1
糖質(g) 10.0 5.6 11.2 鉄(mg) 3.3 2.2 1.8 ビタミンC(mg) 0(φ) 2 0
糖質(g) 9.8 0.3 0.9 ナトリウム(mg) 2 57 130 ビタミンE(mg) 0.9() 0.29 1.1
繊維(g) 2.3 0 0 カリウム(mg) 660 363 120 エネルギー(Kal) 200 144 162
灰分(g) 1.9 1.1 0.9 ビタミンB1(mg) 0.07 0.09 0.08 コレステロール(mg) () 900 470

※1.数値はいずれも100g中の成分を表示しています。
※2.牛肉のビタミンEとコレステロールは肩のロースの成分値です。その他は脂身なしの成分値です。
※3.( )内はゆで大豆の成分値です。
※4.四訂日本食品標準成分表より。