1. トップ
  2. 納豆鑑評会
  3. 第16回全国納豆鑑評会 結果講評

今年度の日本一おいしい納豆は
(有)わたり納豆の「国産大豆100%納豆」に決定!

大自然に恵まれた北の大地・北海道は、日本を代表する大豆生産地でもあります。全国でもっとも魅力的な市として、何度も選ばれてきた、北海道札幌市の「札幌パークホテル」にて、平成23年2月18日(金)に第16回「全国納豆鑑評会」が開催されました。

全国納豆鑑評会とは、全国納豆協同組合連合会(納豆連)が主催する品評会で、日本一の納豆(農林水産大臣賞)を決定する毎年恒例の大会です。納豆の製造技術の改善と品質の向上を目的として始まり、第1回の東京大会を皮切りに全国各地で開催されてきました。昨年度の第15回は京都でした。北海道での開催は、2回目となります。

審査対象となる納豆は、納豆連に加盟する納豆メーカーが自社製造する納豆。今回は総出展数が223点で、その内訳は小粒・極小粒部門で74点、大粒・中粒部門で83点、新設のアメリカ大豆部門で25点、新設のひきわり部門で41点でした(1企業1部門につき1点までの出展)。審査するのは、研究員、文化人、食品関係者、省庁関係者など総勢30名。評価方法は「色・形・香り・糸引き・味」の5項目においてそれぞれ5点満点で評価されます。

そして今年度、栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞したのは、宮城県にある(有)わたり納豆の「国産大豆100%納豆」。このほか、小粒・極小粒部門および大粒・中粒部門から、優秀賞が各3点と優良賞が各2点、さらに特別賞として北海道知事賞が各1点、北海道農政事務所長賞が各1点、永山久夫賞が各1点、ひきわり部門から納豆連会長賞が1点、アメリカ大豆部門からRed River Valley U.S. Awardが1点選出されました。これら入賞した商品は、5年間にわたり、パッケージに受賞した賞を明記する栄誉が与えられます。

通常、北海道の室内はとても暖かいのですが、審査会場の室温は納豆の鮮度保持のために低く設定されていました。その中に、審査員の先生方の熱気がひしひしと伝わってくるほどの緊張感が満ちていました。特に新部門が2つ設定されたことによる、納豆業界の期待の高まりも感じられました。また、集計作業中には会場内において、世界納豆普及協会主催の、納豆をかき混ぜる姿の美しさを競う「第1回世界納豆まぜまぜ選手権」および、納豆の糸の長さを競う「第1回世界納豆のびのび選手権」も開催され、世界へ納豆を広める第一歩を記しました。さらに、北海道納豆組合から地元の札幌市老人福祉施設協議会を通じて、札幌市内の養老施設を中心に、大会に出品した全国の納豆をお届けしました。来年度の第17回全国納豆鑑評会は青森県で開催される予定です。

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

全国納豆協同組合連合会 会長 笹沼隆史さん

全国納豆協同組合連合会 会長 笹沼隆史さん

今年は4部門に増え、出品数も200点以上となり、審査するのが大変でした。ここ数年、みなさん、技術が向上し、いいものが出てきていますね。あとは、納豆を作った状態を保ったままで、いかに審査会場まで持ってくるかという部分で、差が広がるのではないでしょうか。審査は、各審査員がご自分の好みを前面に出していただいてよいと思います。

須見洋行先生 (倉敷芸術科学大学 教授)

須見洋行先生(倉敷芸術科学大学 教授)

毎年、品質は向上しています。皆、よくできていて審査に苦労します。どれも甲乙つけがたいです。その中でも、違いがよくわかるのは、見栄えですね。納豆菌がよく大豆に入っているのはきれいです。納豆はパックを開けて10分くらいで変色してしまうので、審査が難しいです。納豆が好きだからこそ、こうして毎年足を運んできます。

早田邦康さん(自治医科大学さいたま医療センター 准教授)

早田邦康さん(自治医科大学さいたま医療センター 准教授)

大粒・中粒、小粒・極小粒はどんどん品質が良くなっています。ひきわり納豆部門は、作り手の個性も感じられ、おいしさの差がはっきり分かれていました。アメリカ大豆の質も良くなってきましたね。納豆らしいものが好みです。納豆らしさとは、糸をよく引くこと、アンモニア臭がなく納豆独自の風味があるということです。

永山久夫先生 (食文化研究所 所長)

永山久夫先生(食文化研究所 所長)

今日は納豆をたくさん食べましたが、発酵食品なので消化が良く、大丈夫ですね。毎年発酵技術も向上しており、よく発酵して、大豆タンパクがアミノ酸化して、うまみの濃縮したものが多かったです。気候のせいもあるでしょうが、今年はとてもおいしかったです。口で吹くと細い糸がふわーっと、まとまって飛ぶような納豆がおいしいと思います。

山際睦子さん(社団法人 北海道栄養士会 食育推進委員会委員長)

山際睦子さん(社団法人 北海道栄養士会 食育推進委員会委員長)

それほど優劣はなく、審査は難しかったです。一品ずつ、うまさ、固さ、色、においなどをチェックしましたが、かすかながら全部違いました。固さがちょうどいいと思っても、糸引きが足りなかったりということが、それぞれありました。自分の好みでは、これがいいという納豆がありました。

長谷川裕正さん(茨城県工業技術センター 食品バイオ部門長)

長谷川裕正さん(茨城県工業技術センター 食品バイオ部門長)

きれいでいいものが揃っていましたが、うまみが少し乏しいと感じました。どうしても見栄えをきれいにしようとすると、あっさりとした味になってしまいます。遠くから出品されている場合は、若めに仕上げて送ったりもするでしょう。自分の中では、これだというものが何点かありました。

中居敏さん(北海道納豆工業組合理事長)

中居敏さん(北海道納豆工業組合理事長)

ひきわり納豆は、製造工程において、空気をきれいに回さないと異臭が出てきます。作り方を失敗しているなあというものも、正直に言うといくつかありました。また、大豆を割った大きさなどに、作り手の特徴が現れていました。アメリカ大豆の納豆の品質は、平均的にはよかったですね。

納豆写真

本年度入賞作品(写真中央が最優秀賞の「国産大豆100%納豆」)

鑑評会の風景

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真