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今年度の日本一おいしい納豆は
(有)高丸食品の「国産中粒納豆」に決定!

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日本が世界に誇る総合栄養食「納豆」の日本一を決める「全国納豆鑑評会」の第23回大会が群馬県渋川市で開催され、全国79メーカー、総出品数205点の中から、愛知県の(有)高丸食品の「国産中粒納豆」が栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。

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平成30年2月23日(金)、群馬県渋川市の「伊香保ホテル天坊」にて開催された第23回「全国納豆鑑評会」。群馬県は、1世帯当たりの納豆消費金額が常時TOP5に入るほどの納豆王国。納豆への支出金額が高く、納豆への深い愛のある県民性であることから、納豆の日本一を決めるにふさわしい都市ということで、23回目となる本大会を群馬県で開催することになりました。

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審査対象となる納豆は、納豆連に加盟する納豆メーカーが自社製造する納豆で、今回の総出品数は全国79メーカーから205点。審査員は、研究者・文化人・食品関係者・省庁関係者など総勢30人。評価方法は納豆の「外観(見た目)」、「香り」、「味・食感」の3項目について、秀でたものを5点、劣るものを1点として出品納豆に点数がつけられ、合計点数上位から受賞納豆が決定します。

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最優秀賞を受賞した(有)高丸食品の「国産中粒納豆」のほか、小粒・極小粒部門および大粒・中粒部門から優秀賞が各3点、優良賞が各2点、特別賞として関東農政局長賞が各1点、ひきわり部門から全国納豆協同組合連合会長賞が1点、納親会長賞が1点、アメリカ大豆部門からRed River Valley U.S.Awardが1点、アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードが1点、そして群馬大会特別賞として群馬県知事賞が1点、渋川市市長賞が1点、合計20点が選出されました(最優秀賞を含むと合計21点の賞が授与されました)。

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集計作業中、会場では、世界納豆普及協会主催の「第7回世界納豆まぜまぜ選手権」および「第7回世界納豆のびのび選手権」が開催されました。会場には群馬県公認キャラクター「ぐんまちゃん」、伊香保温泉観光宣伝隊長「いしだんくん」、茨城県非公認キャラクター納豆の妖精「ねば〜る君」、ミス納豆の三田寺理沙さんも応援にかけつけ、大いに盛り上がりました。

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「まぜまぜ選手権」は、納豆を混ぜる動作の美しさと混ぜる回数を競うもの。2人の出場者がそれぞれ1分間にかき混ぜた回数の合計値で争われます。地元の群馬県からはもちろん、東京や埼玉、アメリカから8組16名が参加し、華麗に納豆をかき混ぜました。その中で見事優勝されたのは、アメリカから参加された男女のチーム「ジョン・ウェイン」さんで、68回でした。「最高に楽しかったし、勝てて嬉しい!」と喜びを語ってくださいました。

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「のびのび選手権」は、混ぜた納豆から伸ばした糸の長さを競うもので、8組16名の参加者により、真剣勝負が繰り広げられました。優勝したのは、埼玉県から参加された女性2人組み「ねば〜る」チームで、13.8mでした。ねば〜る君の大ファンだという2人は、納豆カラーの服を身にまとい参戦、会場を華やかに彩ってくださいました。

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また、昨年8月に東京で開催された、高校生の納豆料理日本一を決定するレシピコンテスト「第1回全国高等学校 納豆甲子園」の様子をVTRで上映。上映後は、優勝した東京都立調布北高等学校の納豆スイーツ「大豆パワー全開ドーナツ」の試食が行われました。高校生の考えた納豆レシピに、会場からは「納豆の味がしっかり感じられておいしい」、「こういう食べ方もあるんだと驚いた!」、「納豆苦手な子供でも食べられそう」と称賛の声が上がりました。

今回の群馬県渋川市での全国納豆鑑評会にご来場いただき、会場を盛り上げてくださった一般来場者の方々や関係者の皆さま、そして報道関係者の方々、本当にありがとうございました。これからも、皆さまの日々の生活に納豆が無くてはならない存在になることを心から願い、納豆連としても普及活動に努めていきたいと思います。

来年度の第24回全国納豆鑑評会は北海道で開催される予定です。お楽しみに!

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

全国納豆協同組合連合会 会長 野呂剛弘

小粒・極小粒部門を担当したが、良いものと悪いものがはっきりと分かれていた。例年は5点法のうち3点付近が多いのだが、今回は久しぶりに1〜5点までの幅で点数をつけた。点数が低かったものは、色が悪く、水っぽく柔らかすぎるものが多かった。納豆にとっては柔らかいことが良いわけではなく、おいしいかどうかがポイント。はっきりとしたことは分からないが、おそらく納豆の製造工程における蒸煮時にうまく処理ができていないか、柔らかくするためにあえて水分をたくさん含ませてしまっているのでは。鑑評会ではこうした水っぽい柔らかすぎる納豆は絶対評価されない。一方で、5点をつけたものは、色、食感が良くて雑味もないパーフェクトと思う納豆だった。10点くらいつけてあげたいほど素晴らしかった。

全国納豆協同組合連合会 副会長 工藤茂雄

アメリカ大豆とひきわりの審査を行ったが、思っていたよりアメリカ大豆のレベルが上がってきていて、良いものは国産小粒と同じくらいだった。“アメリカ大豆、侮るべからず”と言いたい。ひきわりについては悪いものはほとんどなく、その中でもうま味が徹底してしっかりと乗っているものを評価した。

倉敷芸術科学大学特任教授 須見洋行

アメリカ大豆とひきわり部門を担当した。審査員同士でも話していたのだが、全体的にレベルが上がっており非常に審査が難しかった。特にひきわりは味が良くないと感じるものは少なかった。アメリカ大豆は、国産大豆とあまり変わらないくらい品質、レベルが上がっていると感じた。

自治医科大学さいたま医療センター教授 早田邦康

大粒を担当した。全体的に美味しく、年々レベルアップしていると感じた。審査のポイントとしては、香りが良い、華やかな香りのするものを評価した。ただ、審査会場の室温が例年よりかなり低かったため、香りの判定が難しかった。そういった環境下でも良い香りを放つものがあった。また、今年は、黒豆や枝豆のような色をしている大豆などが見られ、面白いとは思うが、(納豆としては)なかなか難しいと感じた。

筑波大学教授 石塚修

アメリカ大豆、ひきわり部門を担当したが、どちらも品質が整っていると感じた。ひきわりは粒の粉砕具合など好みが分かれるとは思うが、個人的に面白い食感のものがあり、得点を高くつけた。全体的に納豆の品質は向上していると思う。

茨城県工業技術センター 首席研究員 長谷川裕正

全体的にレベルが高く、最高域に達しているのではないかと思った。しかし、その中でも悪いものが散見された。良いものと悪いものが半々で、5点法の採点法で、1と5が同じ数だけあった。評価のポイントとしては、粒の大きさや割れがないかなどの見た目で、臭いは納豆らしく良い香りがあるか、食感はなめらかで適度な硬さがあり、ねっとりしたものが上位になった。また、今回はチロシンがするものが全くなかったので、とても良かったと思う。大粒・中粒部門の中には黒豆、緑豆を使用した大豆が見られたが、まだまだクリアした方が良い課題があると感じた。

米国大使館 農産物貿易事務所所長 モーガン・パーキンズ

納豆の鑑評会はとても素晴らしい試みだと思う。アメリカ大豆・ひきわり部門を担当したが、どれもハイクオリティだった。納豆連の皆さんとも話をしたが、納豆づくりへの誇りが感じられた。アメリカでは納豆のような発酵食品にもともと馴染みがないし、日本に住んだり、旅をしたことがある人以外はほとんどの人が知らない。私も日本に来るまで食べたことはなかった。しかし、アメリカでも近年はヘルシー志向になってきているため、納豆のような健康食品はとても興味深く、今後ポピュラーになってくる可能性があると思う。

(株)雪ほたか 専務取締役 星野孝之

初めて参加し、納豆の奥深さを知りとても面白かった。審査するにあたり、のどごし、食べ終わった後に残る香りに注目したほか、私たちは米を生産しているので、おいしいお米に合う納豆かどうかにポイントを置いて評価した。納豆の食感が米より固めで、雑味やえぐみのない、お米の良さを壊さないピュアな納豆が個人的にはお米に合うと思う。お米だけを食べるよりも、一緒に食べた方がよりおいしいと思うくらいの納豆を探した。私たちの会社もお米の品評会で金賞を頂いているので、今回の最優秀賞受賞の納豆と合わせて食べてみたいと思う。

納豆真打 最高得点者(あづま食品) 牛久吉弘

貴重な経験をさせていただき、とても楽しかった。小粒・極小粒部門を担当した。私自身が納豆の作り手でもあるので、あまり生意気なことは言えないが、本当に素晴らしいものと、もう一歩かなと感じるもがはっきりと分かれていた。その中で、味、色、食感のバランスが良く、飲み込んだ後にもう一度箸を運びたいと思うものを評価した。納豆真打の試験を受け、納豆の歴史や先人の努力などを知ることができたので、作り手の工夫や心を思いながら審査することができたと思う。また今回の審査でさまざまな納豆を食べて大変勉強になり、今後自分自身が納豆を作る際の参考にしたいと思った。