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今年度の日本一おいしい納豆は
(有)高丸食品の「国産中粒納豆」に決定!(2年連続)

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日本が世界に誇る総合栄養食「納豆」の日本一を決める「全国納豆鑑評会」の第24回大会が北海道札幌市で開催され、全国76メーカー、総出品数192点の中から、愛知県の(有)高丸食品の「国産中粒納豆」が栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。昨年に続き2年連続の快挙となりました。

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平成31年2月22日(金)、第24回「全国納豆鑑評会」が北海道札幌市の「札幌パークホテル」にて開催されました。北海道は納豆の原料となる大豆の生産地としても名高く、その量は長年日本一に輝いています。また、過去の大会における北海道の納豆メーカーの最優秀賞受賞回数は4回と日本一多いです。そうした実績のある北海道に敬意を表し、24回目となる本大会を札幌市で開催することとなりました。

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審査対象となる納豆は、納豆連に加盟する納豆メーカーが自社製造する納豆で、今回の総出品数は全国76メーカーから192点。審査員は、研究者・文化人・食品関係者・省庁関係者など総勢30人。評価方法は納豆の「外観(見た目)」、「香り」、「味・食感」の3項目について、秀でたものを5点、劣るものを1点として出品納豆に点数がつけられ、合計点数上位から受賞納豆が決定します。

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最優秀賞を受賞した(有)高丸食品の「国産中粒納豆」のほか、小粒・極小粒部門および大粒・中粒部門から優秀賞が各3点、優良賞が各2点、北海道大会特別賞として北海道知事賞が各1点、札幌市長賞が各1点、北海道農政事務所長賞が各1点、ひきわり部門から全国納豆協同組合連合会長賞が1点、納親会長賞が1点、アメリカ大豆部門からRed River Valley U.S.Awardが1点、アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードが1点、合計20点が選出されました(最優秀賞を含むと合計21点の賞が授与されました)。

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集計作業中、会場では、世界納豆普及協会主催の「第8回世界納豆まぜまぜ選手権」および「第8回世界納豆のびのび選手権」が開催されました。会場には北海道ご当地キャラのジンギスカンのジンくん、北乃カムイちゃん、茨城県非公認キャラクター納豆の妖精「ねば〜る君」、ミス納豆の日野麻衣さんも応援にかけつけ、大いに盛り上がりました。

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「まぜまぜ選手権」は、納豆を混ぜる動作の美しさと混ぜる回数を競うもの。2人の出場者がそれぞれ1分間にかき混ぜた回数の合計値で争われます。地元の北海道からはもちろん、東京やアメリカから、さらに大会初となる小さなお子様も参加されました。 その中で見事優勝されたのは、チーム「ねばった」さんで、80回でした。

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「のびのび選手権」は、混ぜた納豆から伸ばした糸の長さを競うもので、まぜませ選手権で優勝したチーム「ねばった」さんが9.88mの記録を出し総合優勝したため、表彰は2位で記録9.08mの「チームえぞふじ」さんが受賞しました。さらに、特別賞としてお子様2名に納豆連とねば〜る君からそれぞれオリジナルグッズが贈られました。

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また、今回初の試みとして、納豆にちなんで「710cmの納豆巻き」を参加者全員で作りました。具材は納豆のほかに、ジンギスカンや松前漬け、鮭など北海道ならではの食材でボリューム満点。試食したみなさんは「すごくおいしい!」「ジンギスカンと納豆がすごく合う!」と大喜びでした。

今回の北海道札幌市での全国納豆鑑評会にご来場いただき、会場を盛り上げてくださった一般来場者の方々や関係者の皆さま、そして報道関係者の方々、本当にありがとうございました。これからも、日本の伝統食納豆の魅力を伝えるため普及活動に努めていきたいと思います。

来年度の第25回全国納豆鑑評会は熊本県で開催される予定です。来年もぜひご参加ください!!

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

全国納豆協同組合連合会 会長 野呂剛弘

アメリカ大豆とひきわり部門の審査を担当した。今年の傾向として、発酵が割と強めで過発酵気味の納豆が多かった。とはいえ、全体的に高いレベルだった。中でも、感覚的な話になってしまうが、口に入れた瞬間にホッとするような豆の旨味、甘み、さわやかな後味があるものに高得点を付けた。そういった納豆に出会うと気持ちが明るくなる。たくさん審査員がいるが、点数が集まる納豆には集まるので、美味しいものは評価されている。

全国納豆協同組合連合会 副会長 工藤茂雄

小粒部門を担当したが、全体的に品質が向上しており、非常に審査が難しかった。その中でも大きなポイントとなったのは、食感がよく、後味に嫌味がなく、ふっと甘みが乗るものが良かった。審査員の中には、初めて参加されている方もいらっしゃるし、普段から納豆を食べる方、そうでない方と色んな方がいるが、私が良いなと感じたものは同点決勝に進んでいた。やはり良い納豆というのは、落ち着くところに落ち着くのだと感じた。

倉敷芸術科学大学 名誉教授 須見洋行

大粒・中粒部門を担当した。全部良くできていると感じるくらい美味しかった。皆さん真剣に研究されていて、年々レベルが上がってきている。その分、審査が非常に難しかった。また、少しだが黒豆の出品もあり、それぞれ味の違いが出ていて良かった。

自治医科大学院 教授 早田邦康

小粒を担当したが、みんな美味しかった。もちろん中にはあまり良くないものもあったが、ほとんど同じくらいのレベルだった。年々レベルが上がってきていると感じる。

筑波大学 教授 石塚修

大粒・中粒部門を担当したが、今年も非常に良くできていたと思う。評価のポイントとして味を重点的に審査したが、豆のコクが出ている、しっかりとした歯応えがある納豆が美味しいと感じた。多少ばらつきもあったが、全体的に年々レベルが上がってきている。黒豆も何点か出品されていたが、こちらは評価が難しかった。

全農 麦類農産部 大豆特産課長 佐々木琢磨

大粒・中粒部門を担当した。とても美味しくて差をつけるのも酷なくらい審査が難しかった。接戦だったと思う。中でも豆がふっくらとしていて、味わいが深い納豆が良かった。
北海道は大豆の一大生産地ではあるが、今年は八分作で生産者もがっかりしているし、メーカーさんにも不安とご迷惑をおかけする年になってしまうのではと残念に思っている。そうした中、全国納豆鑑評会が札幌で開催されたことは、北海道、生産者の皆さんへの応援になると思う。

株式会社札米 部長 川原悟

アメリカ大豆・ひきわり部門を担当した。初めて鑑評会に参加したが、それぞれ豆の風味、後味、粘りに違いがあり勉強になった。審査のポイントは、色は濃い目で、発酵が進んでいて粘りが強いものに得点をつけた。また、私の会社はお米屋なので、この納豆は朝ごはんに合うなとか、納豆巻きに良いなというふうに、“ご飯に合う納豆”という視点でも選ばせていただいた。

福山醸造株式会社 係長 福山誠司

小粒部門を担当した。弊社は味噌・醤油メーカーで納豆のタレも製造しているので、普段はタレを付けずに納豆を食べることが少ないため新鮮だった。タレを作る際、納豆の味をマスキングするような方向で頭が働いてしまうが、今回は納豆そのままの味を味わうことで勉強になった。審査は雑味が無かったり、味のバランスが良いもの、また、タレに合わせたら美味しいだろうなと思うものに評価をつけた。

茨城県産業技術イノベーションセンター 首席研究員 長谷川裕正

アメリカ大豆・ひきわり部門を担当した。アメリカ大豆は、照明のせいもあるのかもしれないが、やや色が暗めの納豆が多かった。レベルは年々上がってきているので、処理の仕方を工夫されると良い納豆になるのではないかと思う。ひきわりの方はチロシンや、アンモニア臭もやや出てしまっているものもあった。頭抜けて良いものは見受けられなかった。