1. トップ
  2. トピックス
  3. 鶴岡八幡宮参拝、合格祈願納豆の無料配布を実施

〜糸引き納豆の日、「糸の日」(1月10日)制定記念イベント〜
鶴岡八幡宮参拝、合格祈願納豆の無料配布を実施

写真

全国納豆協同組合連合会(以下、納豆連)では、2011年1月10日「糸引き納豆の日(糸の日)」を記念して鶴岡八幡宮に団体参拝を行い、納豆を奉納致しました。

2011年1月10日当日、神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮周辺は、新成人たちを祝うような雲ひとつない青空の広がる、晴天に恵まれました。当日は年始来の厳しい寒さの中、午前中から鶴岡八幡宮は、晴れ着姿の女性たちや地元の方々をはじめ、たくさんの参拝客で賑わっていました。

写真

午前10時から、納豆連を代表して笹沼隆史会長、岡崎誠一副会長、野呂剛弘PR委員長、松永進専務理事が拝殿に参列しました。鶴岡八幡宮本殿に納豆を奉献の後、厳かに本殿内で、業界の発展、合格祈願、社会安泰をご祈祷いただきました。その後巫女による神楽の奉納が行われ、納豆連会長の笹沼隆史が参拝者の代表者として玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行った後、祈願を込めていただいたお札を授かりました。

午後1時からは、奉献し、ご祈祷いただいた納豆を道行く皆様に無料配布する準備を行いました。準備のそばから人だかりができ、午後1時10分の配布開始と同時に行列ができ始めるほどの盛況ぶりでした。200個の納豆は数分で配り終えてしまうほど、ご好評をいただきました。ご利益のある納豆ということもあり、皆様はうれしそうに、そして、ありがたそうにお持ち帰りいただきました。第1回の納豆連「糸の日記念」行事は無事成功を収めました。ご家庭で家族の絆を深めるひとつのエピソードとして、納豆が食卓に上ったと感じています。

写真

糸引き納豆の日「糸の日」制定の歴史的背景

ご承知の通り納豆には納豆菌で作られ、ごく一般的に食卓にのぼっている糸引き納豆と、麹菌で作られる浜納豆(大徳寺納豆)があります。
従来の7月10日の「納豆の日」だけでは、この糸引き納豆のよさを全国の皆さんにより理解していただくには不十分ではないかということで、今回の「糸引き納豆の日」の制定に至りました。

1月10日としたのには、単なる「1・10=いと」という語呂合わせだけではなく、糸引き納豆の始祖とされる平安時代後期の武将源義家(みなもとのよしいえ)<1039年−1106年>通称「八幡太郎」にちなんでもいます。

彼は、頼義の長男で、前九年の役で父を助けて阿倍氏を討ち、後に陸奥守兼鎮守府将軍(むつのかみけんちんじゅふしょうぐん)となって東国における源氏勢力を作った歴史上の人物です。この義家が1087年(寛治元年)11月14日、金沢柵を陥落させ、清原家衡・武衡(きよはら の いえひら・たけひら)を討つことに成功し、12月26日には後三年の役を平定した報告が都に届けられました。この時期を現行の暦にあてると、およそ1月になります。
食文化研究家の永山久夫氏も『たべもの戦国史』において、この八幡太郎義家兵糧説から東北発祥説を唱え、その伝わった経路を「ナットウロード」と名付けています。

源義家といえば戦勝の神様

毎年1月は受験シーズン真っただ中。勉学にいそしむ傍ら、食事をおろそかにできない受験生にこそ、「納豆」はおすすめの食材です。手軽に摂取でき、栄養豊富な納豆で心身ともに健やかになっていただくこと、また、源義家にあやかって多くの受験生が糸引き納豆を食べて粘り強く受験勉強に励み、ぜひとも勝利を勝ち取っていただければという願いもこめてあります。そこで納豆組合は来る1月10日に、源義家が祀られている鶴岡八幡宮に団体参拝を行い、八幡宮に納豆を奉納しました。そして、そのご利益のある納豆を数量限定で受験生をはじめ一般のみなさまに配布した次第です。

「納豆」は冬の風物詩 「納豆」「納豆汁」は冬の季語

納豆は江戸時代までは冬の風物詩でもありました。松尾芭蕉(1644-1694)の句をご紹介します。

「納豆きる音しばしまて鉢叩(はちたたき)」

上記の句のように、寒い冬の貴重なタンパク源として庶民に親しまれてきました。1年で最も寒い「寒(かん)」を控えたこの時期に糸引き納豆を食べて、そうした先人たちの知恵に学ぶことは、今を生きる私たちにとって、大切なことであると考えます。

(解説)納豆を刻むのを待ってくれ、鉢叩(はちたたき)をしばらく聞こうではないか、という意味。この場合の納豆は一般的な糸引き納豆です。「納豆きる音」というのは納豆汁にするための納豆を細かく、粘りを出すために、まな板の上の納豆を包丁で叩く音と考えられます。細かく叩いた納豆を鍋に入れて煮立てたのが納豆汁で、当時はこの食べ方が一般的とされていました。「鉢叩」は空也念仏のことで、十一月十三日の空也忌から大晦日まで、ひょうたん・鉢・鉦(かね)などをたたきながら、節をつけて念仏や和讚(わさん)を唱えて踊り歩くことです。都をめぐり喜捨(きしゃ)を受けていました。納豆は冬の定番の光景だったのです。

社会の絆を納豆の糸に託して

そしてもう一つ、糸引き納豆の日「糸の日」を制定するにあたり大きな願いを込めました。
昨今、一人暮らしのお年寄りが増え、家族そろって食卓を囲むシーンが減るなど、「家族的な絆」が薄くなったとの報道を耳にします。1月10日の「糸引き納豆の日」には、かつて我が国に普通にあった、その結びつきを取り戻し、思いやりのある人と人との絆の復活も祈願しています。
また、納豆連「糸の日」制定を記念して各組合員の地元の社会福祉協議会を通じ、納豆をお年寄りや施設の方々に寄贈しました。神奈川県納豆組合連合会では神奈川県社会福祉協議会と相談の上、下記団体に合計で630個の納豆を個寄贈しています。

聖母愛児園(横浜市中区)、日本水上学園(横浜市中区)、デュミナス(横浜市磯子区)、新日本学園(川崎市中原区)、川崎愛児園(川崎市宮前区)、鎌倉児童ホーム(鎌倉市)成光学園(座間市)

希薄になりがちな“人との結びつきを納豆食で復活させたい”という、また、納豆の粘り強い糸のような“人と人との結びつき”を取り戻したいという思いのもと、各組合員が積極的に活動する予定となっています。
納豆連では、糸引き納豆の日に納豆を食べながら、かつて当たり前のようにあったあたたかい絆を顧みてもらえたらと願っています。