納豆菌の繁殖力は、驚異的です。 繁殖を開始しますと、ほぼ30分ごとに倍、倍と増えていき、たった1個の納豆菌が16時間には、実に40億個という天文学的な数になってしまいます。
納豆菌は、次々と分裂する過程で、さまざまな酵素を生み出しますが、この酵素が、整腸効果を高めて、腸の若さを保つなど、すばらしい働きをしてくれます。
納豆菌自体は、酵素を作ることによって、大豆のタンパク質や糖質、脂質などを分解し、驚異的な繁殖力を維持するためのエネルギー源にしているわけです。
納豆菌の出す酵素は強力で、約24時間で、大豆の成分を小さな分子に分解してしまいます。
したがって、人間が食べても、たいへんに消化吸収がよいわけです。納豆菌が作り出した酵素群は、納豆の中にそのまま蓄積されます。つまり、納豆を食べるということは、生きた納豆菌といっしょに、活性度の高い酵素もとることになります。
いうならば、納豆は「納豆菌」と「酵素」のかたまりのような食べ物なのです。納豆菌は、納豆100グラム中に1,000億個以上もいるといわれています。
納豆に含まれている主な酵素と、その働きをあげてみましょう。
プロアテーゼ | タンパク質をアミノ酸に分解します。 |
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アミラーゼ | デンプンなどの糖質を分解してブドウ糖に変えます。 |
リバーゼ | 脂質をグリセリンと脂肪酸に分解します。 |
セルラーゼ | センイ質を糖に変える働きをします。 |
ウレアーゼ | 尿素をアンモニアに変えます。 |