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第19回 全国納豆鑑評会(2014年2月21日)
受賞者インタビュー

村田 滋さん

■最優秀賞(農林水産大臣賞)
「国産ふっくら大粒ミニ2」
(株)ヤマダフーズ(秋田県)
山田 伸祐さん

 受賞の知らせは、鑑評会に参加した納豆連の方から電話で受けました。最初に「おめでとうございます」と言われ、何のことかわからなかったのですが、「農林水産大臣賞を受賞」と言われて非常に驚きました。
 電話を受けたのは社内の事務所でしたので、知らせを受けてすぐさま社内SNSで全社員に向けて発信しました。
 このところ円安の影響で、光熱費、燃料費、容器、原料の大豆の値上がりなど暗い出来事が続く中、稀にみる明るいニュースに社員全員が大いに喜び盛り上がりました。

 今回の受賞については、5年ほど前から鑑評会で受賞できる納豆をつくろうと、弊社会長の山田を中心に、研究所、製造部、品質管理の社員が一丸となって取り組んできた結果だと思っています。
 弊社には「おいしさを数値化する」というモットーがあります。従来、勘で行ってきた納豆の製造技術を「数値」によってコントロールする、つまりは誰がやっても同じ品質のものをコンスタントに製造できることを目指してきました。
プロジェクト開始から、鑑評会で受賞したメーカーの納豆を取り寄せ、うまみ、かたさ、ねばり、匂い、色、といったものを色々な測定器で測定して「数値化」し、鑑評会で受賞する納豆にはどのような傾向があるのかを分析しました。実際に、ある傾向があることを発見し、それに一致するようなものを作ろうと努めてきました。
それは、まず大豆の品種探しに始まります。毎年、全国から大豆を取り寄せて、品種の加工適性などを調べています。その年によって作柄の善し悪しがありますので、その豆の蒸し方、発酵などのテストも行います。また、納豆菌も自社で開発しております。今回の受賞納豆は、秋田県北西部から青森県南西部に広がり、世界自然遺産にも指定されている白神山地の近くの土壌から採取してきたものから分離培養した弊社オリジナルの納豆菌を使っています。
 2年前の第17回納豆鑑評会で、今回と同じ大粒部門で入賞したことに手応えを得て、さらに改良を続けたことにより、今回の受賞に繋がったのだと思います。

 今回受賞した「国産ふっくら大粒ミニ2」は、地元の秋田県産の「リュウホウ」大豆の大粒を使用しています。「リュウホウ」は糖質も高く、タンパク質もほどほどにあり、生食するお豆腐の原料として使っても大変おいしい豆腐ができると定評のある豆です。
 秋田は農業が主要産業の一つですので、地元の農業に貢献することは私たちの努めと考えており、農家の方々に今回の受賞を喜んでいただけたのは大変ありがたいです。

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 秋田県横手市の金沢公園には「納豆発祥の地」の石碑があります。「納豆発祥の地秋田」の出品として受賞できたことは大変誇らしいことです。県内の納豆組合の中でも「みんなでおいしい納豆をつくるための技術を切磋琢磨しましょう」と、組合員同士で勉強会をずっと続けてきていました。そうした積み上げがあっての受賞でもあり、大変嬉しく思っています。

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 今後の抱負としては、来年、茨城県水戸市で鑑評会が開催され、弊社は茨城県にも工場がありますので、「大粒」での2年連続受賞を狙いたいと思います。また、業務用納豆を取り扱っておりますので「ひきわり」の部門でも受賞を狙います。
 昨年「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。「和食」を世界に広げると同時に、「納豆を食べる文化」を広げたいと思っています。
 他のメーカーさんとも手を取り合って、もっともっと「納豆」を盛り上げていければと願っております。